絵画教室の体験レッスンでチェックしておきたい4つのこと

絵画教室では体験レッスンを行っています。
体験レッスンの目的は、正式に入会する前に実際に教室のレッスンを体験し、自分にあった教室をみつけることです。

しかし、実際に体験レッスンに参加してみると、慣れない環境の中で緊張してしまい、時間だけが過ぎてしまうものです。

今回は「自分にあった教室」を見抜くために、体験レッスンでチェックしておきたい4つのことをお話しします。
ポイントを絞ることで緊張の中でもしっかりと自分との相性を見極められるでしょう。

絵画教室の立地とアクセス

絵画教室の体験レッスンは、実際に通うことになる教室で参加するようにしましょう。
同じ系列の絵画教室であっても、立地が違うA校とB校とでは移動時間も雰囲気も違います。

絵画教室には画材や道具を持っていくこともあります。
駅からバスに乗り換えたり、駅からかなり歩いたりする場所にある場合は移動が大変になるかもしれません。
また、大人は会社帰りに絵を習うこともあります。
できるだけ駅から近い絵画教室を選んだ方が続けやすいでしょう。

意外と教室の立地も大切です。
絵を習い始めると必要な画材が出てきます。
絵画教室で販売しているものもありますが、やはり自分の目で見て選ぶ方が楽しいでしょう。
絵画教室の周辺に大きな画材店があれば教室の帰りに気軽に立ち寄ることができます。

料金とレッスン時間と必要な画材

絵画教室のホームページには、料金とレッスン時間が表示されています。
初めて絵画教室の料金を見た人は「月謝が高い」と思うかもしれません。
お習字のような習い事は、1回のレッスンが40分程度ですが、絵画教室は1回のレッスンが90分程度と長くなっています。
そのため料金は高くなっています。

90分のレッスン時間を確保することは意外と大変です。
小さな子どもならば幼稚園や学校から帰ってきてから教室に行くことになります。
子どもの生活に無理が出ない時間帯にレッスン時間が設定されている教室を選ぶことも長く続けるポイントです。

大人は夜間クラスや土日クラスが人気です。
ただ、仕事が長引いてしまいレッスン時間に間に合わないこともあります。
レッスン途中からの入室ができるかもチェックポイントです。

そして、必要な画材は必ずチェックするようにしましょう。
「レンタルできるものはあるのか」「教室で指定された画材を購入するのか」「予算に応じた画材を紹介してもらえるか」は要チェックです。

先生たちや生徒たちの雰囲気

「立地とアクセス」「料金とレッスン時間と必要な画材」は、体験レッスンが始まる前に聞いておくといいでしょう。
体験レッスン中は「先生たちや生徒の雰囲気」を意識してチェックしましょう。

雰囲気は「先生と生徒」・「生徒と生徒」・「先生と先生」の3種類をチェックします。
先生と生徒の雰囲気は、適度な距離感と師弟関係を感じるかをチェックします。

しばしば先生と生徒の距離が近ければ近いほどいいと考える人がいますが「習う」ときには適度な距離感は必要です。
とくに子どものクラスでは、先生が子どもに教えるのではなく、お世話で手一杯になっているようでは困ります。
先生と生徒が、お母さんと子どもではなく、きちんと先生と生徒の師弟関係になっているかをチェックしましょう。
また、未就学児のようにお世話が必要な年齢のクラスは、先生のほかに補助の職員がいるかをチェックします。

生徒と生徒の雰囲気は、教室の雰囲気に直結します。
「休憩時間とレッスン中のメリハリはあるか」「お友達がいない子どもも居心地はよさそうか」をチェックします。

そして意外なポイントが先生と先生の雰囲気です。
先生と先生の関係がピリピリしていると生徒にも緊張が走ります。

また、自分自身と先生との相性もあわせてチェックしましょう。
「話しやすい先生か」「先生の描く作品が好きか」はとても大切なポイントです。

制作している作品と教え方

体験レッスンでは、1回のレッスンで終わる課題が用意されている場合と通常レッスンに1回分参加する場合の2種類があります。

とくに子どものクラスでは、作品が持ち帰れるように1回完結の課題が用意されていることが多いようです。
ただ、体験レッスン用に特別な課題が用意されているときには、周囲を見渡して他の生徒が制作している作品をチェックしましょう。

体験レッスン用には子どもが喜ぶ課題が用意されていることがあります。
実際に入会してみたら「体験レッスンとはまったく違う課題ばかりだった」という話も聞きます。

教え方は、絵画教室や先生によって違い、人によって良し悪しのとらえ方も違います。

例えば、デッサン指導の場合に先生が実際に鉛筆で作品に描きこみながら指導する方法もあれば口頭だけで指導する方法もあります。
お手本を見せながら指導するかもしれません。

筆者が学生のときには、先生が自分の作品に手を加えながら指導してくれるととてもうれしかったです。
しかし、筆者の子どもは「他人の作品に手を加えるなんて失礼だ」と怒っていました。
同じ指導方法でも、とらえ方は人それぞれです。自分にあった教え方をしているかをチェックしましょう。

おわりに

絵画教室の中身は、ホームページだけではわかりません。
教室の内装やにおいも絵を描くモチベーションをあげる大切なポイントです。

「絵を描きたい」と思っても、一人で画材を購入し描き始めることは大変です。
絵を描き始めるきっかけとして、絵画教室の体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。

文筆:式部順子(しきべ じゅんこ)
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業
サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。
在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。

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