大人の初心者が絵画教室を探すとき「初心者歓迎」という文字をみつけるとホッとします。
しかし実際に教室に行ってみると、初心者らしき人は一人もいなくて「本当に初心者歓迎か」と疑ってしまうことがあります。
今回は、大人初心者が本当に初心者歓迎の絵画教室をみつけるために知っておきたい5つのポイントをお話しします。
目次
「初心者歓迎」の幅は広い
絵画教室のホームページやチラシに書いてある「初心者歓迎」に嘘はないでしょう。
ただ、絵画教室にやってくる初心者の幅はとても広く、見解の違いがあるのです。
例えば、絵筆を持ったことがないレベルの初心者もいれば、デッサンの経験はあるけれど油絵は初心者という人もいます。
また、かなりの腕を持ちながらも自称初心者という人も少なからずいるのです。
つまり、自分の基準に合っている初心者が本当に歓迎されているのかは、実際に絵画教室に足を運び、自分の目で確認することが大切です。
本当の初心者歓迎を見破る5つのポイント
絵画教室の門を始めて叩く大人初心者には「絵筆を持つのは小学生以来」や「画材は何も持っていません」という正真正銘の初心者が多いのではないでしょうか。
ここからは、正真正銘の初心者を歓迎してくれる絵画教室を見破るポイントを5つ紹介します。
<画材の購入からアドバイスが受けられる>
絵の初心者にとって第一関門が画材の購入です。
「筆は面相を用意してください」と言われても初心者にはわかりません。
とくに紙は種類だけでなく大きさも様々です。
初心者を多く受け入れている絵画教室では、画材は教室で購入することもできます。
初心者に適した必要な画材がセットになっていることも多いようです。
教室で画材購入ができない場合は、丁寧なアドバイスがあります。
「どこに画材店があるのか」「費用はいくらかかるのか」「100均はやめたほうがいい」など「これくらいは知っているでしょ」という態度ではなく、丁寧にアドバイスしてくれるかどうかもチェックポイントです。
<さまざまな年齢や職業の人が習っている>
初心者歓迎と言いつつ、実際は初心者が近づきにくい雰囲気の教室もあります。
本当に初心者歓迎であるかを見抜くコツは、さまざまな年齢や職業の人が習っているかをチェックしましょう。
もしくは、レベルごとにクラス分けされているかをチェックしましょう。
絵の初心者には、若い人もいればシニアもいます。
学生もいれば会社員もいます。
年齢や職業が違う人たちが集まっているということは、幅広い初心者に対応しているということです。
例えば、学生ばかりの教室ならば、初心者といえどものみ込みが早く、目指すレベルが高い初心者である可能性があります。
<絵が下手な人もいる>
「初心者歓迎」の言葉の裏には「下手な人でもOK」や「ゼロから教えます」というメッセージが込められています。
とはいっても、言葉と雰囲気が一致しているとは限りません。
実際に通ってみたら、絵が上手な人ばかりで本当の初心者は居づらかったという話もあります。
教室では、生徒の作品を見渡してレベルチェックをしてみましょう。
もしも上手な人ばかりだったら要注意です。絵の上達するスピードはみんな同じではありません。
すぐに上達する人がいる一方で、なかなか上達しない人もいるはずです。
みんなが上手いということは、上達しない人は居づらくなる雰囲気があるのかもしれません。
上達しない人でも居心地よく通える教室が本当の初心者が通いやすい教室でしょう。
<先生が専門用語を使わずに話している>
先生の話し方や言葉からも初心者歓迎かを見破ることができます。
例えば「もっと陰影をつけて」と言われても初心者にはわかりません。
陰影の「陰」はモチーフ自体の光が当たらない暗い部分であり、「影」は台におちているモチーフの影です。
初心者に慣れている先生は、初心者の知識量を知っています。
そのうえで、初心者でもわかりやすい言葉を使って指導しています。
<教室の雰囲気が明るくリラックスしている>
絵の大人初心者が絵画教室に一番に求めることはよい雰囲気です。
絵が上手でなくても楽しく描ける雰囲気、和気あいあいとリラックスして描ける雰囲気です。
本当に初心者歓迎の絵画教室には、外から入ってくる人に対して温かい歓迎の雰囲気が漂っています。
教室に一歩足を踏み入れた瞬間の「ここに通いたいな」や「歓迎されている気がする」という直感が意外と大切なポイントなのです。
温かい雰囲気がある教室には「失敗しても許される雰囲気」があり、大人初心者にはピッタリの教室といえるのではないでしょうか。
おわりに
本当に心がこもった「初心者歓迎」には、先生たちの「ゼロから育てたい」という意欲が込められています。
大人初心者には、プライドもあれば恥ずかしさもあります。
建前だけの「初心者歓迎」では続くことも続けられません。
自分の目で本当に歓迎してくれる教室をみつけてみてはいかがでしょうか。
文筆:式部順子(しきべ じゅんこ) 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業 サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。 在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。