【中高生が夢中になる美術館5選】表現力と感性を育てるアート体験スポット

「うちの子、美術館って退屈だと思ってるみたい……」「美術の授業もそんなに好きじゃないし、大丈夫かな?」

そんなふうに感じているお母さんへ。

実は、子どもが自分の感性を育てたり、表現する力を深めたりするうえで、“美術館との出会い”はとても大きなきっかけになるのです。

今回は、「子ども 絵 変」「絵画教室 習い事 不安」「子ども 表現力 育て方」といったキーワードで検索しているお母さんたちに向けて、教育と表現の専門家として、“中高生にこそ訪れてほしい美術館・展示会”を5つ厳選してご紹介します。

美術にあまり興味がないお子さんでも、体験型・感情に寄り添った展示などから、思わぬ形で心を動かされることがあります。アートを通じて「感じる力」や「考える力」を育てたい方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

【大塚国際美術館】有名絵画を“体感”して学べる徳島の名スポット

所在地:徳島県鳴門市

「美術館って地味そう……」と思っている中高生にこそ訪れてほしいのが、大塚国際美術館です。

ここでは、モネ、ゴッホ、ダ・ヴィンチなど世界の名画を陶板で原寸大に再現。なんと約1,000点の作品を一気に見られる、圧巻の美術館です。

有名作品を通じて「見たことある!」という親近感から、自然とアートへの興味が広がります。教科書で見た作品を間近で感じられる貴重な体験ができる場所です。

SNS映えする館内写真スポットも豊富で、スマホで自由に撮影OK。美術を身近に感じる第一歩としてぴったりです。

【無言館】絵に込められた命の重みと“描く意味”を感じる長野の美術館

所在地:長野県上田市

戦争に召集され命を落とした画学生たちの遺作を集めた、無言館。

風景画や人物画、静物画といった一見“普通”の絵たちに込められた、「最後に描きたかった思い」が胸に迫ります。

「表現することにどんな意味があるのか」「夢を語れる時代のありがたさ」――中高生の心に静かに届くメッセージが、ここにはあります。

絵が得意・不得意に関係なく、“感じる力”を育てる深い体験ができる場所です。

【草間彌生美術館】「かわいい」から始める現代アートの入り口

所在地:東京都新宿区

水玉模様で有名な草間彌生の世界は、カラフルでポップな見た目とは裏腹に、深い人生背景が詰まった現代アート。

それでも「なんかかわいい!」「これ撮りたい!」という感覚から、自然とアートに親しめるのが魅力です。

“アートにルールはない”と感じさせてくれる作品の数々は、表現の自由を教えてくれる最高の教材。93歳を超えても創作を続けるその姿勢も、子どもたちに生き方のヒントを与えてくれるはずです。

【芸大・美大の卒業制作展】年齢の近い先輩たちの作品に出会う衝撃体験

開催地:全国の芸術大学・美術大学(東京芸術大学など)

「芸術家って特別な人たちの話でしょ?」――そう思っている子にこそ見てほしいのが、美大の卒展です。

東京芸術大学の卒業制作展では、型にハマらない自由な作品が多数展示され、「絵はきれいに描くもの」という固定観念が覆されます。

筆者も小学生時代に訪れた際、“沼”をテーマにした暗く静かな絵に衝撃を受けました。美術の世界が一気に広がった瞬間でした。

「自分にも表現できるかもしれない」と感じられる機会として、非常におすすめです。

【番外編】親子で行きたいアートイベント・ワークショップ

卒展や展示会以外にも、地域のアートフェスティバルやワークショップを調べてみると、親子で楽しめるアート体験がたくさん見つかります。

たとえば……

  • 【東京都現代美術館】キッズ向け鑑賞ツアー
  • 【金沢21世紀美術館】感覚体験型のインスタレーション作品
  • 【地域の図書館・公民館】絵本を使った工作・表現ワークショップ

「子どもが絵に興味を持てるか不安」という方も、まずはこうしたイベントから参加してみるのもおすすめです。

まとめ|美術館との出会いが、子どもの“表現力”の種になる

美術館は、ただ作品を見る場所ではなく、「感じる力」「考える力」「伝える力」を育てる体験の場です。

特に思春期の子どもたちにとっては、

  • 感情と向き合うきっかけ
  • 自分なりの見方を育てる体験
  • 表現の多様性を知る機会

そんな力を静かに、でも確実に育ててくれる存在です。

「うちの子、ちょっと絵が変わってるかも」と思うお母さんも、その感性こそが唯一無二の“表現力の芽”かもしれません。

アートとの出会いが、お子さんの世界をそっと広げてくれますように。


筆者が、芸大の卒業制作展をみたのは小学生のときでした。
そのときまでは、絵はきれいなものを描きとめるものだと思っていました。

しかし、賞がついていた作品は暗い沼の絵だったのです。
画面全体が焦げ茶色で塗られ、目を凝らしてみると鯉らしき魚が水中にある橋の柱に集まっている絵でした。
小学生だった筆者は「この人は、この暗い沼を描きたいと思ったのか」と衝撃を受けました。
芸大や美大の卒業制作展は、自分とは違う感性とふれあう機会があります。

おわりに

紹介した美術館の中には、遠くてすぐには行かれない場所にあるものも含まれています。筆者は、大塚国際美術館には大学生のときに訪れました。徳島県の同級生を訪ねて一人で飛行機に乗っていきました。中高生や大学生は、感受性が鋭い時期であり、フットワークが軽く機動力があります。多くの作品に積極的に触れて、モノの見方を広げてみてはいかがでしょうか。

文筆:式部順子(しきべ じゅんこ)
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業
サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。
在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。

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