新型コロナウイルスの影響を受け、オンラインレッスンが大きな注目を集めるようになりました。
非接触で学べる点が注目されていますが、それだけではありません。オンラインならではの多くのメリットがあります。
今回は、教室で学ぶのではなく、オンラインレッスンで絵を習う方が向いている人の特徴についてご紹介します。
子どもがオンラインで絵を習うメリットはこちらをご覧ください。
目次
お手本や参考作品がないと絵が描けない人
絵を描き慣れていない人にとって、課題を与えられると「お手本や参考になる作品が欲しい」と感じることがよくあります。何もアイデアが浮かばないとき、参考作品がヒントになり、アイデアが湧くこともあるでしょう。
しかし、参考作品に頼りすぎると、自分でゼロから考える力が育たなくなってしまうこともあります。
たとえば、小中学生の図工や美術の授業では教科書をもとに進められ、そこにはたくさんの参考作品が掲載されています。その結果、課題の提出日に「教科書で見たような作品ばかりが集まった」という経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
大人になっても、参考作品がないと手が動かないという人は少なくありません。そのような場合、多くの人が集まる教室で学ぶと、どうしても周囲の作品に目がいき、結果的に似たような作品を作り続けてしまうことがあります。
そんな人には、あえて参考作品がない環境で描けるオンラインレッスンがおすすめです。オンラインレッスンでは、周囲の作品が目に入らないため、自分のアイデアで描き始める練習ができます。また、完全に一人きりではなく、必要に応じてアドバイスをもらえるため、不安を感じることも少ないでしょう。
協調性がありすぎる人はオンラインが向いている
大人になると自然と身につく「協調性」。
これは絵画教室でも、友達を作り楽しく通う大きな要素となるでしょう。
しかし、「絵を描くこと」に集中するうえでは、協調性が足かせになることもあります。周りの人に気を使いすぎて、自分の作品に集中できなくなるからです。
絵を描くときには、他のことが気にならなくなるほど集中する瞬間が訪れます。その時間をしっかり確保するためには、周りを気にせず自分の絵と向き合う環境が必要です。集中することで、自分の得意分野や課題を明確に認識できるようになるでしょう。
協調性がありすぎて周囲に気を使いすぎる人には、オンラインレッスンで一人の環境に身を置くことが効果的です。オンラインなら、他の人の目を気にすることなく、自分の絵にじっくり取り組むことができます。
まずはオンラインで自分だけの時間を確保し、絵を描くことに慣れたら、徐々にグループレッスンや教室での受講を増やしていくのも良い方法です。周囲との距離感を上手に保ちながら、自分らしい表現を追求していきましょう。
自分の絵に自信がない人
絵画教室で絵を習っていると、徐々にうまい人とそうでない人の順位を意識するかもしれません。
同じような技量の人がいれば、ライバル意識が芽生えて競い合えるかもしれません。
しかし「自分は教室の中では下手な方」と思ってしまうと、自分の絵に自信がもてなくなり、大胆に描くことができなくなってしまうのです。
自信がない人は、絵を描く意識よりも「下手にみられないようにしなきゃ」という思いが強くなり、周囲の様子をうかがいながら絵を描くようになります。
スピードが落ちるだけでなく、うまく描けないときには隠しながら描くこともあるでしょう。
オンラインレッスンならば、隠さずに堂々と絵を描くことができます。
画面の向こうには、自分以外の生徒がいて一緒に絵を描いていることに変わりはありませんが、同じ空間にいないということだけでも焦りの感じ方は違います。
独学で模写から始める場合は、模写したいお手本作家がお勧めです。
両立しなければならないことがある人
大人になると、日々の生活の中でさまざまなことを両立しなければならなくなります。
子育てや介護のように、休みなく対応が必要な状況では、自分の趣味や学びの時間を確保するのが難しく、「やりたいこと」を諦めてしまう人も少なくありません。
そんな方におすすめなのがオンラインレッスンです。
オンラインレッスンは、両立しなければならないことがある人におすすめです。
とくに子育てや介護のように、決まった時間だけでなく随時必要とされる人はオンラインレッスンにすることで両立できる可能性が高くなります。
オンラインレッスンならば、子どもがお昼寝中でもすぐ横でレッスンを受けることができます。
子どもの学校が休みでも、自宅で受講できればお留守番の心配もいりません。
とくに介護は長時間留守にすることが難しいものです。
かといって、介護ばかりをしていると「私は介護のせいで好きなことができない」と思いストレスを感じます。
オンラインレッスンは、忙しい生活の中でも自分の時間を確保し、自分と向き合う手段でもあります。
絵画教室と一言でいっても実はたくさんの種類がありますので、絵を楽しめる絵画教室の選び方も合わせて検討すると良いでしょう。
おわりに
オンラインレッスンは、ネット環境さえあればどこでも受講することができます。
在宅勤務が増え、地方移住に興味をもつ人も増えています。
オンラインレッスンならば、地方で暮らしながら教室と同じレッスンを受けることができます。
周囲の目が気になって絵画教室への一歩が踏み出せない人、通学の時間を確保することが難しい人は、ぜひオンラインレッスンで絵を習い始めてみてはいかがでしょうか。
文筆:式部順子(しきべ じゅんこ) 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業 サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。 在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。