趣味としての絵を続ける5つのポイント

趣味と仕事では、絵を続けるポイントが異なります。
趣味は「お金を稼ぐ」という目的がないため、やる気をなくしてしまうと絵を続ける目的を見失います。
今回は、趣味として絵を続けるために必要な「やる気」を失わないために気をつけたい5つのポイントをお話しします。

描きたいのに描けない状態をつくらない

やる気を失う一番大きな原因が「思うようにできない状態」です。
人は、楽しく進められるときにはやる気が湧いてきます。
しかし「できない」「やり方がわからない」という状態が続くと楽しさを感じられなくなり、
続けられなくなります。

絵は、紙とペンがあれば描くことができます。
しかし、ある程度のレベルになると「描きたいイメージ」が頭の中にできあがり、
そのイメージに近づくように手を動かします。イメージ通りに絵が描ければいいのですが、
イメージに近づかないときには近づけるように対処しなければなりません。
自分で対処できなければ先生にアドバイスをもらう方法もあります。
とにかく「描きたいのに描けない」という状態を長引かせないことがやる気をなくさないポイントです。

絵を描く目的は自己表現と考える

仕事で絵を描く人は、お金を稼ぐために絵を描きます。
クライアントが求める絵を描くことが最終目的であり、クライアントの満足度が第一であり、
自分が作品に満足しているかは二の次でもかまわないのです。
しかし、趣味となれば話は変わります。自分が作品に満足することが一番大切であり、一番に求めることです。
この違いは「知っていて当たり前」と思われがちですが、意外と忘れます。
趣味として絵を描いているはずなのに人と比べて評価を気にしたり、お金になる可能性を考えたりしてしまうのです。

趣味として絵を続けるならば「絵を描く目的は自己表現」つまり「自分が作品に満足できれば目的達成」と考えることです。
小さな目的を達成した成功体験の積み重ねが続ける力になります。

自分のライフスタイルに合わせた方法で続ける

趣味として絵を続けるならば、生活に無理がいかないようにします。
例えば、趣味に夢中になってしまい、生活費を切り詰めたり、睡眠時間を削ったりすると生活に無理がいきます。
絵に限らず、趣味を長く続けるポイントは無理をしないことです。
毎週末に絵を描くことは意外と大変です。
疲れている休日は絵を休み、忙しい月はまるごと1か月休むくらいのリラックスした気持ちが続けるポイントです。
とくに絵は完成を急ぎません。少し時間をおいてみると新たな視点で作品をみることもできます。
趣味として絵を描いている人の中には、絵画教室に通っている人もいます。
ライフスタイルによっては通学ではなく、オンラインのほうが楽に続けられることもあります。
自分のライフスタイルを優先して、柔軟に趣味の形を変えることも続けるポイントです。

アウトプットと同じくらいインプットにも力を入れる

絵を描いたり作品を作ったりすることは、自分の中の引き出しにある材料を探して制作しているようなものかもしれません。
今までに体験したことやみてきたものが材料となって引き出しに入っています。
そして制作するたびに材料を探し、引っ張り出して消費しているイメージです。
つまり、制作のアウトプットばかりをしていたら、いつかは引き出しが空っぽになってしまいます。
材料が枯渇しないようにインプットすることもアウトプットと同じくらい大切です。

「趣味として絵を続ける」というと、絵を描き続けることと思うかもしれません。
しかし、趣味で絵を続けるとは描くことだけでなく、みたりみせたりすることも含みます。
美術館に通うことも絵を続けることです。描き貯めた作品をまとめることも絵を続けることです。

苦手克服よりも好きを伸ばす

趣味は楽しく続けることが大切です。
苦手を克服するために努力することは大切なことですが、趣味として絵を描き続けるならば苦手克服よりも好きなところや得意なところを伸ばす方がいいでしょう。
例えば、風景画は好きだけど人物画が苦手という人がいます。
仕事で人物を描かなければならないならば苦手を克服する必要がありますが、
趣味ならば好きな風景画を極めた方がいいです。

「好きこそものの上手なれ」という言葉があります。
好きなことを極めた方が上手になる可能性は高く、楽しみながら続けられるのではないでしょうか。

おわりに

趣味とは「好んで習慣的に繰り返すこと」です。
嫌々ながら続けることは修業です。

自分のライフスタイルに合わせたり、好きを伸ばしたりすることはひとりでもできます。
しかし、描けない状態を長引かせず、インプットを増やすことはひとりでは難しいかもしれません。
絵画教室は、絵を上達させるだけでなく楽しさを伝え、絵を続ける糸口がみつかる場所です。
趣味としての絵を続ける手段として絵画教室を訪れてみてはいかがでしょうか。

文筆:式部順子(しきべ じゅんこ)
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業
サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。
在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。

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