絵画教室の「通信教育」と「オンライン講座」それぞれのメリットとデメリットと上手な選び方

絵を習いたいけれど通学は難しい場合、通信教育やオンライン講座で学ぶ方法があります。
どちらも自宅で受講可能ですが、受講の方法に違いがあります。

今回は、通信教育とオンライン講座のメリットとデメリットをあげて、年齢や条件に見合った上手な選び方をお話しします。

絵画教室の「通信教育」とは

絵画教室の通信教育の流れは、まず与えられた課題にそって作品を制作して教室に提出します。
提出方法は宅配便や郵便を使います。そして提出された作品を先生が添削して再び送り返します。
添削の方法は、作品の上にトレーシングペーパーをかけて先生が指導内容を描きこむことが多いようです。

資格試験などの一般的な通信教育は教材が送られてきて独学し、テストやレポートだけをやりとりすることが多いのですが、絵画教室の場合は作品そのものを頻繁に送りあうことが大きな特徴です。

絵画教室の「オンライン講座」とは

オンライン講座とは、教室のレッスンをライブ中継して受講するパターンと先生の指導を一方通行で受講するパターンの2種類があります。
絵画教室のオンライン講座は、ライブ中継で受講するパターンが多いでしょう。

受講方法は、Zoomなどを使います。
作品自体を送ることはあまりなく、画面を通じて直接指導をします。

「通信教育」のメリットとデメリット

<メリット:好きなタイミングで制作できる>

通信教育のメリットは、好きなタイミングで制作できることです。
課題が届いたら、期日までに作品を制作し教室に送ります。
期日に間に合えば、土日に描いても夜間に描いてもいいのです。
曜日や時間を固定して通学できない人には大きなメリットです。

<デメリット:答えや指導をすぐに聞くことができない>

通信教育は、作品自体を移動するため制作から指導を受けるまでにタイムラグがあります。
絵を描きながら「ここはもっと濃くするべきか」と悩んでも、答えが返ってくるのはずっと先になります。
また、作品を送る送料は受講料とは別に必要になることもあります。
大きな作品になれば送料もかかるため、送料が受講料に含まれているのかを事前に確認しましょう。

「オンライン講座」のメリットとデメリット

<メリット:ライブ感を味わえる>

絵画教室のオンライン講座はライブ中継で受講することがほとんどです。
そのため、教室にいなくても教室の雰囲気を味わえることがメリットでしょう。
また、教室にいると多くの人が目に入るため、1人の先生対多くの生徒という実感がありますが、オンライン講座の場合は画面にうつっているのは先生1人のためマンツーマンの雰囲気で受講することができます。

<デメリット:時間とオンライン環境の確保が必要>

ライブ中継で受講する場合は、決められた時間に受講しなければなりません。
また、オンライン講座はインターネットを使って行われるため、オンライン環境やカメラの設置などが必要です。

「通信教育」と「オンライン講座」の上手な選び方

通信教育とオンライン講座には、それぞれに特徴があり適している人と適していない人がいます。
ここからは、通信教育に適している人とオンライン講座が適している人を具体的にあげて上手な選び方をお話しします。

<絵画教室の通信教育が適している人>

通信教育が適している人は、決められた曜日や時間に時間を確保することが難しい人です。
例えば、不規則な仕事をしている人や子育てや介護中の人に適しています。
好きな時間に制作ができるため、仕事が休みの日や子どもが寝静まってからゆっくりと制作をすることができます。

習い事が多い子どもにも適しているのではないかと思う人がいるかもしれません。
確かに通信教育は時間の融通がきくメリットはあります。
しかし、制作と指導にタイムラグがあるため、振り返りが難しい小さな子どもにはリアルタイムで指導を受けられるオンライン講座の方がおすすめです。
通信教育は、復習をしたり主体的に学んだりすることができる大人に適しているのではないでしょうか。

<オンライン講座が適している人>

オンライン講座は、通学したいけれど遠方で通えない人や子育てや介護で家から出ることが難しい人に適しています。
また、デジタルイラストなど作品をデータで送れる場合は色が変わって見える心配もなく、通学とほぼ変わらない条件下で受講できるのではないでしょうか。

オンライン講座は、受講中に制作をするため制作時間を別途確保する必要がありません。
時間に制約のある人でもメリハリをつけて絵を描くことができる受講方法です。

おわりに

絵を独学する人もいますが、独学はとても強い意志がなくては続けることが難しい勉強スタイルです。
通信教育もオンライン講座も通学と比べれば間接的に感じるかもしれません。
しかし「絵を描くこと」は、そのほとんどが自分ひとりの制作時間です。
受講で大切なことは、必要な指導であり、続ける支えになることです。
通信教育もオンライン講座も指導のタイミングに差はありますが、続ける支えになります。

文筆:式部順子(しきべ じゅんこ)
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業
サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。
在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。

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