絵を習いたいと考えたとき、多くの人がまず絵画教室の体験レッスンに参加します。
体験レッスンは、教室の雰囲気や指導方法を知り、「本当に自分に合った教室かどうか」を判断する大切な機会です。
しかし、初めての環境に緊張してしまい、「とりあえず受けてみたけど、よく分からなかった」ということも少なくありません。
せっかく体験レッスンを受けるなら、重要なポイントを押さえておきたいものです。
今回は、絵画教室選びで失敗しないために、体験レッスンでチェックすべき4つのポイントを詳しく解説します。
「気に入ったけれど、通うのが大変で続かなかった」「指導方針が合わず、モチベーションが下がった」といった後悔を防ぐために、ぜひ参考にしてください。

目次
通いやすい立地か?アクセスの良さが継続のカギ
絵画教室を選ぶ際、**最も重要なのは「続けやすいこと」**です。
どんなに素晴らしい教室でも、通うのが負担になってしまっては意味がありません。
通いやすい教室かどうかを見極めるチェックリスト
駅からの距離:徒歩5~10分以内が理想的。
交通の便:電車・バスの乗り換えが少ないか。
荷物の負担:画材を持ち運ぶのに苦労しないか。
駐車場の有無:車で通う場合、駐車スペースは確保されているか。
治安や安全性:夜遅い時間帯でも安心して通えるか。
アクセスの良さは、絵画教室を長く続けるために非常に重要なポイントです。
例えば、徒歩圏内にある教室や、仕事帰りに立ち寄りやすい場所にある教室なら、負担を感じずに通い続けることができます。
また、教室の近くに画材店があるかどうかも要チェック!
絵を習い始めると、思いがけず「これが必要だった!」という道具が増えていくものです。
気軽に画材を買い足せる環境があると、より快適に学ぶことができます。
料金・レッスン時間・画材の条件を事前に確認する
意外と見落としがち!「月謝以外の費用」もチェック
絵画教室の料金を見て「少し高いな」と感じる人も多いかもしれません。
しかし、これは1回のレッスン時間が長めに設定されているためです。
例えば、一般的な習い事(ピアノや書道など)の1回のレッスン時間は40分程度ですが、絵画教室は90~120分が標準。
そのため、1回あたりの費用は割高に見えても、じっくり取り組めるメリットがあります。
✅ 入会金の有無と金額
✅ 月謝の金額(週1回・月4回の相場を知る)
✅ 設備費・教材費・画材代が別途かかるか
✅ 振替制度の有無(欠席時の対応)
また、画材に関する条件も重要です。
- レンタル可能か(初期費用を抑えたい人向け)
- 持ち込みOKか(すでに画材を持っている人向け)
- 購入必須の指定画材があるか(高価なものを揃えなければならないケースも)
特に初心者の場合、「何を買えばいいのか分からない」という不安があると思います。
生徒のレベルに応じた画材を紹介してくれるかどうかも、良い教室のポイントです。

先生や生徒の雰囲気は?人間関係が快適かをチェック
技術的な指導だけでなく、教室の人間関係の雰囲気も大事なポイントです。
「先生との相性」や「生徒同士の関係性」が合わないと、どんなに技術が身についても楽しく学ぶことはできません。
先生との相性を見極めるポイント
指導スタイル:「細かくアドバイスをくれるタイプ」or「自主性を重んじるタイプ」
生徒への接し方:「フレンドリー」or「厳格」
教え方が自分に合っているか(例:実演しながら指導する、口頭で説明する など)
また、生徒同士の雰囲気もチェックしましょう。
「アットホームすぎておしゃべりが多い」「仲間意識が強すぎて新参者が馴染みにくい」など、環境が合わないと感じることもあります。
先生と生徒だけでなく、先生同士の関係性も意外と大事。
ピリピリした空気の教室では、生徒も居心地が悪くなります。
作品と指導方法は?どんなスタイルで学べるのかを確認
体験レッスンでは、1回のレッスンで終わる課題が用意されている場合と通常レッスンに1回分参加する場合の2種類があります。
とくに子どものクラスでは、作品が持ち帰れるように1回完結の課題が用意されていることが多いようです。
ただ、体験レッスン用に特別な課題が用意されているときには、周囲を見渡して他の生徒が制作している作品をチェックしましょう。
体験レッスン用には子どもが喜ぶ課題が用意されていることがあります。
実際に入会してみたら「体験レッスンとはまったく違う課題ばかりだった」という話も聞きます。
教え方は、絵画教室や先生によって違い、人によって良し悪しのとらえ方も違います。
例えば、デッサン指導の場合に先生が実際に鉛筆で作品に描きこみながら指導する方法もあれば口頭だけで指導する方法もあります。
お手本を見せながら指導するかもしれません。
✅ 作品の仕上がり:自分の目標とするレベルの作品があるか
✅ 技法の多様性:同じような作品ばかりでないか
✅ 指導方法:「型にはめる指導」or「個性を伸ばす指導」
絵画教室によって、教え方は大きく異なります。
例えば、デッサン力を重視する教室もあれば、創造性を伸ばすことを大切にする教室もあります。
自分が求める学び方と合っているかを慎重に判断しましょう。
筆者が学生のときには、先生が自分の作品に手を加えながら指導してくれるととてもうれしかったです。
しかし、筆者の子どもは「他人の作品に手を加えるなんて失礼だ」と怒っていました。
同じ指導方法でも、とらえ方は人それぞれです。自分にあった教え方をしているかをチェックしましょう。
おわりに
絵画教室の中身は、ホームページだけではわかりません。
教室の内装やにおいも絵を描くモチベーションをあげる大切なポイントです。
「絵を描きたい」と思っても、一人で画材を購入し描き始めることは大変です。
絵を描き始めるきっかけとして、絵画教室の体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。
文筆:式部順子(しきべ じゅんこ) 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業 サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。 在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。