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「AIで絵が描けるって、なんだかズルい?」その疑問に答えます
「最近、子どもが『AIで描いた絵がすごい!』って話していて…」
「学校でAIを使ってお絵かきする時間があったみたいだけど、それって教育的にどうなの?」
そんなふうに、モヤモヤとした疑問を抱えていませんか?
AIが瞬時に美しい絵を描けるようになった今、子どもたちは“描く”ということに対して、これまでとは少し違った視点を持ち始めています。
けれど同時に、
「人が描く意味って?」「創造力は育つの?」
といった不安を感じる保護者の方も増えているのが現実です。
今回は、教育・表現の専門家としての視点から、AIアートと子どもの創造力の関係、家庭や教育現場での活用法、注意点などをわかりやすくお伝えします。
AIの登場を“脅威”ではなく“可能性”としてとらえ、子どもの「好き」と「得意」を育てるきっかけにしてみませんか?

AIアートってなに?子どもでも使えるの?
「AIが絵を描くってどういうこと?」
まず、「AIアート」とは何かを簡単に説明しましょう。
AIアートとは、人工知能が人間の指示や情報をもとに画像や絵を生成する技術のこと。
たとえば、「夕焼けの海に立つネコの王様」といった文章を入力するだけで、それに合った絵を数秒で作ってくれるツールがあります。
最近では「こどもAIアート」などと呼ばれる、子ども向けの簡単なアプリやサービスも登場しています。操作は直感的で、スマホやタブレットがあれば誰でも使えるのが特徴です。
「AIで絵を描く=悪いこと」ではない
AIアートと聞くと、
「自分で描いてないからダメ」
「ラクをしているみたい」
と、つい否定的に考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
けれど実は、AIは“ズル”でも“完成品”でもありません。
たとえるなら、AIは“絵のパートナー”や“アイデアノート”のようなもの。
「描けないから使う」のではなく、「もっと描きたいから使う」ことができるのです。
実際に試してみた!AIアートを使った子どもの変化
小学4年生・りくくんの場合
恐竜の絵を描くのが大好きな小学4年生のりくくん。
ある日、「もっとリアルな背景を描きたい」と悩み始めました。
そこで、お母さんと一緒に画像生成AIを使ってみることに。
りくくんは、「太古のジャングルにいるティラノサウルス」という言葉を入力し、AIが描いた背景を見ながら、「この岩いいな」「ここの影をまねしたい」と、自分の絵に取り入れ始めました。
完成した絵は、これまでよりも立体感があり、生き生きとした作品に。
「AIを使ったからこそ、自分のイメージをより正確に表現できた」と、りくくんはとても満足そうでした。
自分で考えるきっかけになる
AIを使ったことで、ただ受け身に「描いてもらう」のではなく、
「この部分をどう使おう?」「どう組み合わせればいいかな?」と、自分で考えるプロセスが生まれたのです。
このように、AIはあくまでツールであり、使い方次第で子どもの表現力や創造力を引き出す存在になります。
AIアートを使うメリットと、気をつけたいポイント
AIアートのメリット
- 自己肯定感が育つ
→ AIの助けを借りて思い通りの絵を完成させることで、「できた!」という自信につながります。 - アイデアが広がる
→ 自分では思いつかないような構図や色使いに触れることで、新しい発想が生まれやすくなります。 - 観察力が深まる
→ 「AIの絵と自分の絵、何が違うのかな?」と比較することで、自分の表現への理解が深まります。 - アウトプットの幅が広がる
→ AIで作った下絵に自分のタッチを加えるなど、表現方法の選択肢が増えるのも魅力です。
気をつけたいポイント
- 「AIが描いた=完成品」ではないことを伝える
→ 子どもにとってAIは魔法のように感じるかもしれません。大切なのは、「ここから自分で工夫していくんだよ」という視点を育てること。 - 著作権や情報リテラシーを少しずつ伝える
→ AIが使う画像の元データには権利が関係する場合も。正しい使い方を少しずつ教えていきましょう。 - 目の使いすぎ、ネットの使用時間に注意
→ AIアートは魅力的だからこそ夢中になりがち。時間を区切る、保護者の目の届く場所で使うといった工夫を。
家庭でできる!AIアートを使った表現あそび3選
①「お題チャレンジ」遊び
親子でお題を決めて、AIと一緒にアイデアを出し合う遊びです。
たとえば、「雪の中にいる不思議な生き物」「未来の遊園地」など。
AIに生成させた画像を参考にして、自分で描き直してみるのも楽しい!
→ 発想力&構成力が自然に育ちます。
②「AIまちがいさがし」
AIが描いた絵と、自分の絵を並べて「ここが違う!」「こっちの方が好き!」と話し合う遊び。
似ているようで全然違う表現に気づき、「自分の絵って、ちゃんと“じぶんらしい”んだな」と感じるきっかけにもなります。
→ 観察力&自己肯定感UP!
③「AIとコラボ絵本づくり」
AIで背景やキャラクターを作成し、それをもとに子どもがストーリーを考えて絵本に。
印刷して製本すれば、世界にひとつだけの作品が完成!
→ 表現力&文章力の育成にも◎
AI時代のアート教育に大切なこと
AIは、絵を自動で描く“便利な道具”であると同時に、**子どもたちの表現力を引き出す“きっかけ”**にもなり得ます。
もちろん、「人が描く意味って?」という問いは、避けられません。
ですが、それこそがアート教育の本質。
AIで誰もが簡単に美しい絵を作れる時代だからこそ、“あなたらしい絵ってなに?”“どんな気持ちを込めたの?”と問うことが、ますます大切になるのです。
「描くこと=自己表現であり、思いを伝える手段」
この原点を忘れずにいれば、AIもまた、子どもたちの成長を支える素晴らしいツールになります。
まとめ:AIと「対立」ではなく「対話」する時代へ
AIを使ったお絵かき。
一見すると、「本物の表現とは違う」「創造性を奪うのでは」と思うかもしれません。
でも、子どもが楽しそうに画面を見つめ、アイデアを形にしようとする姿は、まぎれもなく“アート”の入り口です。
AIとの出会いを、
「自分の世界をもっと豊かにする道具」として受け入れることで、
子どもたちはこれまでにない自由な発想と、深い気づきを手にすることができます。
そしてなにより大切なのは、親が「一緒にやってみよう」とそばにいること。
たった一言、
「面白そうだね」「どんな絵になったの?」
そんな会話が、子どもの創造の芽を、未来へと伸ばしていくのです。